Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
つめたい風が、サアッと、顔をかすめました。
「ああ、わかった。この下に川が流れているんだ。」
何メートルともしれない深い谷底に、川が流れているのです。ですから、そこは穴ではなくて、廊下と十文字になった谷なのです。
深い谷が廊下をよこぎっていて、その底を水が流れているのです。
「ここは、いったいどこだろう。たてものの廊下のまんなかに、こんな深い谷があるなんて聞いたこともない。へんな家だなあ。」
ポケット小僧は、こわくなってきました。ぶるぶるッと身ぶるいして、うしろのほうへひきかえしました。
もとの物置部屋の前をとおりすぎて、もっと奥へ歩いていきますと、また、廊下がまがっていて、そこに大きなドアがしまっていました。
そのなかには、明るい電灯がついているとみえて、ドアのかぎ穴から光がもれています。耳をすますと、その部屋のなかでだれかが話をしているようです。
ポケット小僧は、かぎ穴へ目をあてて、なかをのぞいてみました。
それは、アッとおどろくような、りっぱな部屋でした。きらきら光るガラスばりの陳列だなのようなものが、いっぱいならんでいて、そのガラスのなかには、黄金の仏像や、美しいもようのある大きなつぼや、いろいろな彫刻や、宝石をちりばめた王冠や、くびかざりなどが、目もまばゆいばかりにかざってあるのです。