Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きめんじょうのひみつ

奇面城の秘密/夜光人間

江戸川 乱歩

Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme

Aozora Bunko

ふたりは遠くへいってしまったとみえて、そのへんには人のすがたもありません。

トンネルのそとは、岩と土のまじった広っぱです。そのまわりを、見とおしもきかぬ深い森が、とりまいています。

ポケット小僧はトンネルからとびだして、広っぱのまんなかにある大きな岩のかげに、うずくまりました。もし、だれかに見つかってはたいへんだと思ったからです。そこにうずくまって、トンネルの上を見あげました。

ポケット小僧の顔が、まっ青になり、目がとびだしそうに見ひらかれました。なにがそんなに、小僧をおびえさせたのでしょう。

ああ、ごらんなさい。トンネルの上には、五十メートル四方もあるような、巨大な岩山が、そびえていたではありませんか。しかも、それはただの岩山ではありません。その巨大な岩山ぜんたいが、人間の顔のかたちをしていたのです。

奈良の大仏のからだの何倍もあるような、想像もできないほどの、大きな大きな顔なのです。

彫刻ではありません。岩山が、しぜんにそういうかたちをしていたうえに、いくらか人間が手をくわえたもののように思われます。

ああ、その顔……。なんという恐ろしい顔でしょう。