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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme

Aozora Bunko

時計を見ると、自由に使っていい二時間のうちで、もう三十分しか残っていない。彼は抜裏と間違えて袋の口へ這入り込んだ結果、好んで行き悩みの状態に悶えているのでは無かろうかと、自分で自分の判断を危ぶみ出した。出端のない行きどまりに立つくらいなら、もう一遍引き返して、新らしい途を探す方がましだとも考えた。しかしこう時間が逼っているのに、初手から出直しては、とても間に合うはずがない、すでにここまで来られたという一部分の成功を縁喜にして、是非先へ突き抜ける方が順当だとも考えた。これがよかろうあれがよかろうと右左に思い乱れている中に、彼の想像はふと全体としての杖を離れて、握りに刻まれた蛇の頭に移った。その瞬間に、鱗のぎらぎらした細長い胴と、匙の先に似た短かい頭とを我知らず比較して、胴のない鎌首だから、長くなければならないはずだのに短かく切られている、そこがすなわち長いような短かいような物であると悟った。彼はこの答案を稲妻のごとく頭の奥に閃めかして、得意の余り踴躍した。あとに残った「出るような這入るような」ものは、大した苦労もなく約五分の間に解けた。彼は鶏卵とも蛙とも何とも名状しがたい或物が、半ば蛇の口に隠れ、半ば蛇の口から現われて、呑み尽されもせず、逃れ切りもせず、出るとも這入るとも片のつかない状態を思い浮かべて、すぐ