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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme

Aozora Bunko

「ちょっとあなた」と御仙が松本を顧みて、「まるで観音様のように可愛い顔をしています」と鼻を詰らせた。松本は「そうか」と云って、自分の坐っている席から宵子の顔を覗き込んだ。

やがて白木の机の上に、櫁と線香立と白団子が並べられて、蝋燭の灯が弱い光を放った時、三人は始めて眠から覚めない宵子と自分達が遠く離れてしまったという心細い感じに打たれた。彼らは代る代る線香を上げた。その煙の香が、二時間前とは全く違う世界に誘ない込まれた彼らの鼻を断えず刺戟した。ほかの子供は平生の通り早く寝かされた後に、咲子という十三になる長女だけが起きて線香の側を離れなかった。

「御前も御寝よ」

「まだ内幸町からも神田からも誰も来ないのね」

「もう来るだろう。好いから早く御寝」

咲子は立って廊下へ出たが、そこで振り回って、千代子を招いた。千代子が同じく立って廊下へ出ると、小さな声で、怖いからいっしょに便所へ行ってくれろと頼んだ。便所には電灯が点けてなかった。千代子は燐寸を擦って雪洞に灯を移して、咲子といっしょに廊下を曲った。帰りに下女部屋を覗いて見ると、飯焚が出入の車夫と火鉢を挟んでひそひそ何か話していた。