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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへある時二十七八の美くしい女が、襞を取った紺綾の長いマントをすぽりと被って、まるで西洋の看護婦という服装をして来て職業の周旋を頼んだ。それが其家の主人の昔し書生をしていた家の御嬢さんなので、主人はもちろん妻君も驚ろいたという話がある。次に背中合せの裏通りへ出ると、白髪頭で廿ぐらいの妻君を持った高利貸がいる。人の評判では借金の抵当に取った女房だそうである。その隣りの博奕打が、大勢同類を寄せて、互に血眼を擦り合っている最中に、ねんね子で赤ん坊を負ったかみさんが、勝負で夢中になっている亭主を迎に来る事がある。かみさんが泣きながらどうかいっしょに帰ってくれというと、亭主は帰るには帰るが、もう一時間ほどして負けたものを取り返してから帰るという。するとかみさんはそんな意地を張れば張るほど負けるだけだから、是非今帰ってくれと縋りつくように頼む。いや帰らない、いや帰れといって、往来の氷る夜中でも四隣の眠を驚ろかせる。……

須永の話をだんだん聞いているうちに、敬太郎はこういう実地小説のはびこる中に年来住み慣れて来た須永もまた人の見ないような芝居をこっそりやって、口を拭ってすましているのかも知れないという気が強くなって来た。