Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme
『高田、思いとまろうよ』
と、宥めるのであった。
『なぜ、貴公までがここへ来て、二の足を踏むのか』
郡兵衛は、憤然となじって、
『赤埴、片岡、各※(二の字点、1-2-22)は』
『御老人に従おう』
と、殆どが、思い返して、もう帰りかけるのだった。郡兵衛は、戻ってゆく同志の背を、蔑むような眼で睨めつけていた。
『堀部、帰るのか』
『やむを得ん』
『貴公と、奥田老人には、ちょっと、待ってもらおう』
二人の袂をとらえて、
『話がある』
『なんだ』
『すくなくも、われわれ三名だけは、ここを去ってはすむまい』
『どうして』
『約束がちがうじゃないか。おれ達は、当初に何と誓いを立てたかっ。――他の者達が、この瀬戸際に意気を欠いたのは、是非もない。だが、われわれ三名だけは、たとえ最後の一人になっても、吉良が、鉄壁の固めをしようと、斬り入ろうと、誓った筈ではないかっ。忘れたのか、もうその言葉を』
安兵衛と、老人の腕くびを、両方の手に固く握って、揺り動しつつ郡兵衛は云うのだった。情熱から湧く怒りが、瞼に、涙さえ光らせている。さすがに、安兵衛も老人も、心を揺ぶられる心地がした。その情熱は尊いものだと思った。