Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
幕の外に出ている玉乗りの女の異様な扮装や、大きい女の鬘を冠った猿の顔にも、釣り込まれるようなことはなかった。
今の家と同じような小間物店や、人形屋の前へ来たとき、お庄は帯の間の銀貨を気にしながら、自分にも買えるようなものを、そっちこっち見て歩き歩きしたが、するうちに店が尽きて、寒い木立ち際の道へ出て来た。
公園を出たころには、そこらに灯の影がちらちら見えて、見せ物小屋の旗や幕のようなものが、劇しい風にハタハタと吹かれていた。お庄はいつごろ帰っていいか解らないような気がしていた。
帰って行くと、父親は火鉢の側で、手酌で酒を飲んでいた。女も時々来ては差し向いに坐って、海苔を摘んだり、酌をしたりしていたが、するうちお庄も傍で鮓など食べさせられた。
「お前今夜ここで泊って行くだぞ。」父親は酒がまわると言い出した。
「この小母さんが、店の方がちと忙しいで、お前がいてしばらく手伝いするだ。」
「私帰って家の阿母さんに聴いて見て……。」お庄は紅味のない丸い顔に、泣き出しそうな笑みを浮べた。
「阿母さんも承知の上だでいい。」
お庄は黙ってうつむいた。
「お庄ちゃん厭……初めての家はやっぱり厭なような気がするんでしょうよ。