Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
三十四
そしてその小僧の様子をしながら、笑い出した。封書のなかには、汚い墨で妙なことが書いてあった。叔父はにっこりともしないで、袋ごと丸めてそこへ棄てた。
お庄は赧い顔をして、また水口へ降りて行った。胸がしばらくどきどきしていた。
三十四
燥ぎきった廂にぱちぱちと音がして、二時ごろ雨が降って来た。その音にお庄は目をさまして、急いで高い物干竿にかかっていた洗濯物を取り入れた。中にはまだ湿々しているのもあった。お庄はそれを縁側の方へ取り入れてから、障子に懈い体を凭せて、外の方を眺めていた。水沫と一緒に冷たい風が、熱った顔や手足に心持よく当って、土の臭いが強く鼻に通った。お庄は遅い昼飯がすむと間もなく、四畳半の方で針を持ちながら居睡りをしていた。
座敷の方では、暑さに弱い叔母が赭い広東枕をしながら、新聞と団扇とを持ったまま午睡をしていた。叔母は夏に入ってから、手足にいくらか水気をもった気味で、肥った体が一層懶かった。飯も茶をかけて、やっと流し込んでいるくらいで、そっちへ行ってはばッたり、こっちへ来てはばッたりたおれていた。それに下の方の病気などがあって、日本橋の婦人科の病院に通いはじめてから、もう二週間の余にもなっていた。