Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
お庄は呆れた顔をしていた。そうしてから笑い出した。
「そうでしょう。」叔母は火鉢の縁を拭きながら言った。
「私そんなことしやしませんよ。あの時はもう確かに社長さんのお宅だったんですもの。」お庄は真顔になった。
「それじゃそうかも知れない。」叔母は苦笑した。
それからお庄は、また方々電話で聞き合わした。近いところは歩いて尋ねて見た。終いには洲崎の引手茶屋へ問い合わしてみると、そこでは返事が少し曖昧であった。お庄はそれから叔母に相談して、俥でそこまで出かけて行った。その晩会社の方では叔父がいなければ解らないような用事が出来ていた。
お庄を載せた俥は、だんだん明るい通りを離れて暗いしっとりした町へ入って行った。舟や材木のぎっしり詰った黒い堀割りの水に架った小橋を幾個となく渡ると、そこにまた賑やかな一区画があった。川縁の柳の蔭には、俥屋の看板が幾個となく見えて、片側には食物屋がぎっしり並んでいた。
広々した廓内はシンとしていた。じめじめした汐風に、尺八の音の顫えが夢のように通って来て、両側の柳や桜の下の暗い蔭から、行燈の出た低い軒のなかに人の動いているさまが見透された。