Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
」と、水ッぽいような目で叔父の顔を眺めながら言った。
叔父は頷いて見せた。
「そのうちには阿母さんもきっと出て来るで。電報は遅くも昨夜のうちに着いているはずだからね。」
お庄は母親の来るまで、病人の側に一人でいた。そして雑仕婦に手伝って、時々氷を取り換えたり、下の方の始末をしたりした。氷は頭と言わず、胸といわず幾個も当てられてあった。もう長いあいだの床摺れも出来ていた。
「重い患者さんね。」と、雑仕婦は臀へ油紙を宛てがうときお庄に話しかけながら笑った。
「昨夜寝台へお載せ申すのが、大変でしたよ。」
患者もきまりわるそうに力ない笑い方をした。
家に箪笥にしまってある着物の話が出た。まだ仕立てたばかりで、仕着けも取らない夏帯のことなどを、病人は寝ていて気にしはじめた。白牡丹で買ったばかりの古渡りの珊瑚の根掛けや、堆朱の中挿しを、いつかけるような体になられることやらと、そんなことまで心細そうに言い出した。
お庄はこの叔母が、長いあいだ自分の物ばかりに金をかけて来たことを憶い出していた。母親の物を、叔父も父親と一緒に田舎の町で遊びに耽っていた時分、取り出して行った。