Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
「どこも行くところなぞありゃしない。私ア丸山さんのとこで捕って花を引いていたんだ。」と、叔父は小川町の通りで買って来たばかりのウイスキーの口を開けて、メートルグラスに注いで飲んでいた。
「それは何でござんすね。」と、叔母は淡い橙色のその盞を遠くから透して見た。
「自分ばかり飲まないで、私にも少し飲まして下さいよ。」叔母は水張った蒼白い手を延ばした。
「こんなもの飲めば死んじまう。」叔父は渋い顔をして、瓶に口をさすと、それを寝台の端の方へ隠した。そして、ごろりと背後向きになって懈い目を瞑ろうとした。
「いやな人だね、後向きなぞになって……病気をするものはどのくらい割りがわるいか。」叔母はじろじろ叔父の寝姿を見ながら溜息を吐いた。昼眠れば夜は眠れないのが自分には苦しかった。
昼からお庄は、汚れた病人の寝衣や下の帯のようなものを一包み蹴込みに入れて家に帰って行った。
叔母はまた家のことをいろいろ頼んだ。
「田舎の阿母さんも、疲れが癒ったらまた少しお出でなすって下さいってね。そしてあの帯が重いようなら、私の不断帯でもおしめなすってね、着物もじみなのがいくらもありますから……。