Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
それまでに、お庄は二度も三度も四ツ谷の従姉の家へ遊びにやらされた。従姉の家とは長いあいだ打ち絶えていた。互に居所も知らずにいたのが、この三月ごろ田舎から出て来た人の口から、ふとその消息を聴くことが出来た。古いころの早稲田を出たというその良人の浅山は、ある会社の外国支店長をしている自分の姉の添合いの家宅の門内にある小さい家に住まっていた。家には、幼い時に二度逢ったきりで、顔も覚えていない従姉の母親も一緒にいた。
媒介人はそこでお庄を見てから、思いついて双方へ口を利くことになった。
先方の家の母親だという、四十四、五の女が、媒介人と一緒にお庄を見に来たとき、お庄は浅山の晩酌の世話をしていた。下の病気で始終悩まされていた従姉は、頭が痛むと言って奥で臥せっていた。
むかし品川で芸者をしていたとかいうその母親は、体の小肥りに肥った、目容に愛嬌のある鼻の低い婆さんであった。半衿のかかった軟かい着物のうえに、小紋の羽織などを抜き衣紋にして、浅山が差してくれる猪口を両手に受けなどして、お庄にもお愛想を言っていた。
お庄も酒の酌をしながら、この婆さんの気質を知ろうとして、時々顔色を見ていた。