Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

この前にもちょっと従姉の耳へ入れておいた家の様子や自分の立場について、媒介人の利いた口と大した相違のあることを、今一度委しく話して見たかった。

「いいんだよ。」と、芳太郎は耳に挟んでいた両切りの莨に火を点けて吸いながら、お庄の傍を離れなかった。帽子も冠らない顔が蒼白く、目の色も澱んでいる。二人はこのごろ、ろくろく話をするような折もなかった。芳太郎は昼間も酒の気を絶やさず、夜はまたふらふらとそこらをほつき廻り、友達と一緒に宿場を騒き歩いた。

お庄は時々お袋からいいつかって、心の荒びたような男の機嫌をも取らなければならなかった。

座敷の閑な時は、お庄も寄りついて来る芳太郎と一緒にたまには打ち釈けた話をすることもあった。隠し立てのない芳太郎の口から、お袋や親父の噂を聞き出すのも興味があったし、芳太郎の関係した女のことを知るのも面白かった。

「お前が出て行けア、己だって家にアいねえ。」と、芳太郎は駄々ッ児のように言い出した。

そんなところを見つけると、お袋はすぐに厭な顔をした。

「ふざけていちゃいけないよ。」と、お袋は呶鳴りつけて、お庄に用事をいいつけた。

酒で頭脳の爛れたようになっている芳太郎は、汽車のなかでも、始終いらいらしていた。