Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
お庄がここへ来たことが、磯野の耳に伝わった時分には、お増はもう天神下の家にもいられなかった。磯野も、時の機でしたことが振り顧って見られたし、お増にも、始終変ってゆく男の心の頼みがたいことが解って来た。学資もろくろく送ってもらえなくなっていた磯野を世に出すまでには、また新しい苦労も重ねなければならぬということも考えられた。
碁会所の若い娘と一緒に歩いている芳村の姿を、天神の境内で見たとき、お増は芳村に鼻を明かされたような気がした。
「芳村さん、あなたは随分ね。」と、お増はその時追い縋るようにして芳村の後から声かけた。
芳村は黙って行き過ぎようとしたが、後悔の影のさしている女の心をいじらしく思った。
「ちっと遊びにおいで。」と、芳村は娘と離れて、磯野の消息を訊ねなどした。
芳村がお増を自分の方へ引きつけようとしていることが、磯野の前に何事をも包み隠さぬお増の口吻でも解った。二人は磯野の叔父の家の二階でよく言合いをした。毎日頭脳のふらふらしている磯野は、気ままなお増に責められて芳村へ詫び手紙をさえ書いて送らせられ、お増と別れるについて、手切れの金の算段にも出歩かなければならなかった。