Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
「むやみなことをして、万一のことでもあっては、田舎にいるこれの父親や親類のものに私がいいわけがないようなわけでござんすでね。」
そんなことから、笹村は家を捜すことに決めさせられた。
笹村はずッと奥まった方を捜しに出て行った。その辺にはかなり手広な空家がぼつぼつ目に着いたが、周りが汚かったり、間取りが思わしくなかったりして、どれも気に向かなかった。
そして歩いていると、二枚小袖に羽織は重いくらい、陽気が暖かくなって来た。垣根の多い静かな町には、柳の芽がすいすい伸び出して、梅の咲いているところなどもあった。空も深々と碧み渡っていた。笹村はそうした小石川の奥の方を一わたり見て歩いたが、友人の家を出て、普通の貸家へ移る時の生活の不安を考えると、やはり居昵んだ場所を離れたくないような気もしていた。
「今日はたしか先生の入院する日だ。」
笹村はある日の午後、家を捜しに出て、途中からふと思い出したように引き返して来た。その日は薄曇りのした気の重い日であった。青木堂でラヘルを二函紙に包んでもらって、大学病院の方へ入って行くと、蕾の固い桜の片側に植わった人道に、薄日が照ったり消えたりしていた。