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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

病気を虞れるお銀の心着けで、机のなかには箸箱に箸もあったし、飯食い茶碗も紙に包んで持って来たのであったが、それはそのままにしておいた。

それに生死の境にあるM先生の手助けであるから、仕事をしても報酬が得られるかどうかということも疑問であった。妙な廻り合せで、上草履一つ買えずにいる笹村は、もと下宿にいた時のように気ままに挙動うことすら出来なかった。

飯がすむと、袋にどっさり貯えおきの胃の薬を飲んで、広い二階へ上って見た。二階には見晴しのいい独立の部屋が幾個もあったが、どちらも明いていた。病身らしい、頬骨と鼻が隆く、目の落ち窪んだ、五十三、四の主の高い姿が、庭の植込みの間に見られた。官吏あがりででもあるらしいその主の声を、笹村は一度も聞いたことがなかった。細君らしい女が二人もあって、時々厚化粧にけばけばしい扮装をして、客の用事を聞きに来ることのある十八、九の高島田は、どちらの子だか解らなかった。

飲食店にでもいたことのあるらしい若い女中が、他に二人もいた。そして拭き掃除がすんでしまうと、手摺りにもたれて、お互いに髪を讃め合ったり、櫛や簪の話をしていた。