Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
三十
腰を懈がって、寄って行く人に時々揉ませなどしていた。唯一の頼みにしていた白屈菜を、ある薬剤の大家に製薬させて服んでいたが、大してそれの効験のないことも判って来た。
笹村は玄関から茶の室へ顔を出して、夫人に先生の容態を尋ねなどした。
「先刻も着物を着替えるとき、ああすっかり痩せてしまった、こんなにしても快くならないようじゃとても望みがないんだろうって、じれじれしているんですよ、しかし笹村も癒ったくらいだから、涼気でも立ったら、ちっとはいい方へ向くかしらんなんてそう言っていますの。」
先生のじれている様子を想像しながら、笹村は玄関を出た。
そこから遠くもないI氏を訪ねると、ちょうど二階に来客があった。笹村はいつも入りつけている階下の部屋へ入ると、そこには綺麗な簾のかかった縁の檐に、岐阜提灯などが点されて、青い竹の垣根際には萩の軟かい枝が、友染模様のように撓んでいた。しばらく来ぬまに、庭の花園もすっかり手入れをされてあった。机のうえに堆く積んである校正刷りも、I氏の作物が近ごろ世間で一層気受けのよいことを思わせた。
三十
客が帰ってしまうと、瀟洒な浴衣に薄鼠の兵児帯をぐるぐる捲きにして主が降りて来たが、何となく顔が冴え冴えしていた。