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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

四十三

僕が教えてやろう。」

「え教えて下さい。真実に……。」と言ったが、笹村はついお銀の字を書くのを見たことがなかった。

下宿へ帰ると、笹村はある雑誌から頼まれた戦争小説などに筆を染めていた。その雑誌には深山も関係していた。笹村は深山の心持で、自分の方へ出向いて来たその記者から、時々深山のことを洩れ聞いた。

筆を執っている笹村は、時々自分の前途を悲観した。M先生の歿後、思いがけなく自然に地位の押し進められていることは、自分の才分に自信のない笹村にとって、むしろ不安を感じた。

「君は観戦記者として、軍艦に乗るって話だが、そうかね。」

谷中の友人がある日、笹村の顔を見ると訊き出した。

「けれど、それは子供のない時のことだよ。危険がないと言ったって、何しろ実戦だからね。」

友人はそう言って、笹村の意志を翻そうとした。

そんな仕事の不似合いなことは、笹村にもよく解っていた。

四十三

夏の半ば過ぎに、お銀たちの近くのある静かな町で、手ごろな家が一軒見つかったころには、二人の心はまた新しい世帯の方へ嚮いていた。前の家を立ち退く時、話が急だったので、笹村は一緒に出るような家を借りる準備も出来なかった。