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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

「たまには外へ出るのもよござんすね。」といって、お銀はほっとしたような顔をして、猪口に口をつけた。

「私こんなところを歩くのは幾年ぶりだか。たまに来てみると髪や何か、女の様子が山の手とまるで違っていますね。」

お銀は長いあいだ異った水に馴らされて来た自分の姿を振り顧られるようであった。いつも女らしく着飾ったこともなしに、笑ったり泣いたりしているうち、もう二人の子の母になった。四年の月日は、夢のように流れた。笹村と一緒にここで酒を飲んでいるのも、不思議なようであった。

「前に来た時分からみると、ここの家も随分汚くなりましたね。」お銀はちらちらするような目容をした。

「磯谷とだろう。」

笹村は笑いかけると、お銀も、

「いいえ。」といって笑った。

そこを出てから、二人はぶらぶら須田町のあたりまで歩いた。産後から体が真実でないお銀は、電車に乗るとじきに胸がむかついた。電車は暗い方から出て来て、明るい方へ入ったり出たりした。青い火花が空に散るたびに、お銀は頭脳がくらくらするほど、眩暈がした。

「私どうしてこんなに意気地がなくなったんでしょう。」

お銀はおかしそうに笑いながら、笹村の手に掴まってやっとレールを渡った。