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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

七十四

」

「やっぱり気が多いんでしょうね。」

「今はどこにいるね。」

「どこにいるんですか。むろん学校の方も失敗ってしまったんですから。」

「どこかで一度くらい逢っているだろう。」

「逢えば逢ったとそう言いますよ。」

七十四

笹村はどんな片端でもいい、むかし磯谷からお銀に当ててよこした手紙があったらばと、それを捜してみたこともあった。読んで胸をどきつかすようなあるものを、その中から発見するのが、何よりも興味がありそうに思えた。笹村は独りいる時に、よく香水や白粉の匂いのする鏡台、箪笥、針箱、袋の底などを捜してみるのが好きであった。それは子供のおり田舎の家の暗い押入れにある母親の黴くさい手箪笥や文庫のなかを捜すとちょうど同じような心持であった。けれど書き物と言っては、お銀の叔父が世盛りのときに、友達に貸した金の証書の束、その時分の小使い帳、幾冊かの帳簿、その他は笹村の名の記されたものばかりであった。証書の束のなかにはかなりな金額の記されたものもあった。お銀の覚えている人も、その中に一人二人はあるらしかった。

「尋ねて見ようかしら。」

お銀が時々そんなことを言っているのを、笹村も聴いた。