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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

その前から、笹村はどうかすると家を飛び出しそうにしては、お銀や老人に支えられてしまった。春から夏へかけての笹村の感情は、これまでにも例のないほど荒んでいた。自分の健康や世帯の苦労と、持っていた家をまた畳まなければならなかった弟や、そこへ行っていた母親についての心配とで、毎日溜息ばかり吐いているようなお銀の顔を見るのも苦しかったが、そうした波動の始終自分の頭に響いて来るのも厭であった。何事も隠そうとしているお銀の調子は、二人を一層打ち釈けることの出来ないものにしてしまった。

何ということなしに、笹村がちょいちょい通っていた女のことが、時々お銀の頭をいらいらさせた。体が悪いので、しばらく駿河台の方の下宿へ出ていたその女とは、年にも大変な懸隔があったし、集まって来る若い男も二、三人はあったが、土竜のような暗い生活をしている女の堕落的気分が、ただ時々の興味を惹いていた。

笹村は、家が重苦しくなって来ると、莨銭を袂の底にちゃらつかせながら、折にふれて行きどころのない足をそっちへ向けた。そしてその部屋の壁際に寝そべって、女からいろいろの話を聞いた。

女の机のうえには薬瓶などがあった。