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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

」

浅井は初めてそこへ落ち着いたお増に、酒の酌をさせながら笑った。もうセルの上に袷羽織でも引っ被けようという時節であった。新しい門の柱には、お増の苗字などが記されて、広小路にいた時分、よそから貰った犬が一匹飼われてあった。ふかふかした絹布の座蒲団が、入れ替えたばかりの藺の匂いのする青畳に敷かれてあった。浅井の金廻りのいいことが、ちょっとした手廻りの新しい道具のうえにも、気持よく現われていた。

ワイシャツ一つになって、金縁眼鏡をかけて、向う前に坐っている浅井の生き生きした顔には、活動の勇気が、溢れているように見えた。お増の目には、その時ほど、頼もしい男の力づよく映ったことはかつてなかった。

浅井の調子は、それでも色の褪せた洋服を着ていたころと大した変化は認められなかった。人柄な低い優しい話し声の調子や、けばけばしいことの嫌いなその身装などが、長いあいだ女や遊び場所などで磨かれて来た彼の心持と相応したものであった。

ここへ移ってからも、お増の目には、お千代婆さんの家で、穴のあくほど見つめておいた細君の顔や姿が、始終絡わりついていた。

「あなたのお神さんを、私つくづく見ましたよ。