Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
の南の方から来て間もないほどの召使いであった。
五十三、四になった胃病持ちの隠居は、お増の訪ねて行ったときも、いつものとおり、朝から酒に酔っていた。癇癪の強いらしいその目が、どんよりした色に濁って、調子が相変らず突拍子であった。
庭木や、泉水の金魚などに綺麗に霜除けのされた、広い平庭の芝生に、暖かい日が当って、隠居の居間は、何不足もなく暮している人の住居のように、安静であった。
「お揃いでおいでになったんだ。一つどこかへうまいものでも食べに行こうじゃごわせんか。」
隠居は少しふらつくような、細長い首を振り立てて、妙な手容をした。
どこがよかろうかという評議が始まった。
「そのうえ酒を召し食って、皆さんに迷惑かけるよりか、今日はどこぞお芝居がいいじゃございませんか。」
お芳が傍から言い出した。
「芝居もいいが、どこか顔を知らねえところへ行こう。知ったところは金がかかってしようがねえ。」隠居は捲き舌で言った。
「私はな、いくら零落れても、遊び場所などへ出かけて行って、吝々するのは大嫌いだ。浅井さん、私は大体そういった性分だ。」
今に行き詰って来ずにはおかぬ隠居の身のうえが、浅井にもお増にも見透されるようであった。