Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
なくも思えた。やがて新しい幕が、自分の操り方一つでそこに拡がって来そうであった。
「ただいま。どうもいろいろ有難うございました。」
お増は帰りに静子の手をひいてぶらぶら歩いたついでに銀座から買って来た、セルロイドの小さい人形や、動物などを、浅井の枕頭へ幾個も幾個も転がしながら、面白そうに笑った。
「ちょいと御覧なさいよ。」
「ふふ。」浅井も笑いながら、尻に錘のついた動物どもを、手に取りあげて眺めていた。
「外に出てみると、年の少い女が目につきますね。」
お増は枕頭を起ちがけに思い出したように呟いた。
「どうしたって、女は十六、七から二十二、三までですね。色沢がまるでちがいますわ。男はさほどでもないけれど、女は年とるとまったく駄目ね。」
浅井はやっぱりふふと笑っていた。
浅井が床を離れて、朝飯をすまし、新調の洋服に身を固めて、家を出たときには、活動の勇気と愉快さが、また体中の健やかな脈管に波うっていた。込み合う電車のなかで、新聞を拡げている彼の頭脳には、今朝立ったお今の印象さえ、もう忘られかけていたが、帰ってからの女の身のうえのどうなって行くかが、何となし興味を惹いた。