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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

田舎の町で勤めていた家の子息の学生と、思いきった恋をしたというお増は、やっと十八か九であった。

古い話が二人の間に、また掘り返されはじめた。初めて商売に出て、その男を知った時のことなどが、情味に餒えているような浅井の耳に、また新しく響いた。

「ねえ、あなた。」お増はしみじみしたような調子で言い出した。

「あの人の婚礼がすんだら、私たちも誰かを媒介に頼んで、お杯をしましょうか。あんまり年を取らないうちに、そんな写真も取っておきたいじゃないの。」

お増はそう言って、淋しげに笑った。

「心細いやね。」

浅井も女を憫れむように空虚な笑い声を立てた。

「まだ我々はそんな年でもないよ。」

横になっていた浅井は、二筋三筋白髪のちかちかする鬢のところを撫でながら言った。そうして冬になってから、いくらか肉がついて来たが、目角などにはまだ曇みのとれない妻の顔を眺めた。

「そうするにはまずお前の体から癒してかからなけあならない。入院して、思いきって手術をしてみたらどうだ。一ト月の辛抱だ。」

「厭々。」

お増は頭を振った。一ト月の入院のあいだに、家がどうなるか知れないという不安が、これまでにも始終お増の決心を鈍らせた。