Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
」
父親は平手で額を撫であげながら、黙っていた。父親の気は、まだそこまで決まっていなかった。行って見たいような商売を始めるには、資本が不足だし、躯を落して働くには年を取り過ぎていた。どうにかして取り着いて行けそうな商売を、それかこれかと考えてみたが、これならばと思うようなものもなかった。
「私も考えていることもありますで、まア少しこっちの様子を見たうえで。」と、父親はあまりいい顔をしなかった。
「相場でもやろうちゅうのかえ。」主婦はニヤニヤ笑った。
「そんなことして、摺ってしまったらどうする気だえ。私はまア何でもいいから、資本のかからない、取着きの速いものを始めたらよかろうかと思うだがね。」
父親は聴きつけもしないような顔をしていた。
「それに一昨日神田の方で、少し頼んでおいた口もありますで。」
「そうですかえ。けど、そんな人頼みをするより、いっそ誰にでも出来る氷屋でも出せアいいに。氷屋で仕上げた人は随分あるぞえ。綺麗事じゃ金は儲からない。」
「氷屋なぞは夏場だけのもんですッて。第一あんなものは忙しいばっかりで一向儲けが細い。」
母親も心細いような気がしだした。