Japanische Klassiker mit Furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
二人は小さな落葉のがさがさと音のする路を通って、あっちこっちと小家のある処を探して歩いたが、どこにも家らしい物はなかった。
「どうもこのあたりだったよ」
画家は五六本の樫や雑木のごたごたと生えたところへ指をさして話を続けた。
「ここの小家から、あの婆さんが顔をだして、ろくでもない奴が来やがって、うるさくってしかたがないなんて、僕にあてつけるようなことを云ったのだよ」
益雄の記憶もたしかにその木の傍であった。そこには萱の中に二つ三つの黒い石の頭が見えていた。
「どうしてもへんだなあ」
旅館の風呂番の老人がそこへ来た。益雄はその老人に訊いてみた。
「爺さん、ここに家があったように思うが、あったのか」
「家なんかありませんや、もっとも、まだ臨海亭の出来ない時、さあ三十年にもなりますかね、このあたりに漁師の家が一軒あって、そこの主翁が漁に往って歿くなったと云う、壮い女が住んでたことがありますよ」