Japanische Klassiker mit Furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
※(ローマ数字3、1-13-23)
広巳は急いで老人の前へ往った。
「爺さん」
老人の眼はつむれていた。老人は仮睡をしているところであった。
「おい、爺さん」
老人は吃驚したように眼を開けて広巳を見た。
「あ、今の壮佼か」
※(ローマ数字3、1-13-23)
広巳は冗漫な口を利きたくなかった。
「それよりも爺さん、今の女を知ってるかい」
老人はけげんそうな顔をした。
「今の女、今の女って、私が話していた女のことかな、二十七八の脂の乗った、こたえられねえ年増だが、ありゃ水神様だ、人間がへんな気でも起そうものなら、それこそ神罰で、眼が潰れるか、足が利かなくなるか」
老人の話はたわごとに近いものであった。広巳はいらいらした。
「そ、そんなことじゃねえのだ、今の、それ、あの女のことだよ」
老人はおちつきすましたものであった。
「あの女って、水神様のことだろう、今まで私の傍にな、こんな梅干爺でも平生の心がけがいいからな、神信心をして、嘘を吐かず、それでみだらな心を起さずさ、だから神様が何時でもお姿を拝ましてくださるのだ、あのお池の中に祭ってござる水神様だ」
広巳は老人の横面をくらわしてやりたいように思った。