Japanische Klassiker mit Furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
「お嬢さんはどうしたの」
婢は揮り返って云った。
「お嬢さんは、なんだかお気もちが悪いから、もすこしして、お伺いすると申しております」
「気もちが悪いなら、私がお対手をするのだから、よくなったらいらっしゃいって」
婢はお辞儀をしてから扉を開けて出て往った。
「お茶のかわりに、つまらんものをさしあげましょう」
女は壺の取手に手を持って往った。
「もうどうぞ、すぐ失礼しますから」
「まあ、およろしいじゃありませんか、何人も遠慮する者がありませんから、ゆっくりなすってくださいまし、このお婆さんでおよろしければ、何時までもお対手をいたしますから」
女は壺の液体を二つのコップに入れて一つを讓の前へ置いた。それは牛乳のような色をしたものであった。
「さあ、おあがりくださいまし、私も戴きますから」
讓はさっさと一ぱい饗応になってから帰ろうと思った。
「では、これだけ戴きます」
讓は手に執って一口飲んでみた。それは甘味のあるちょっとアブサンのような味のするものであった。
「私も戴きます、召しあがってくださいまし」
女もそのコップを手にして甞めるようにして見せた。
「折角のなんですけれど、僕は、すこし、今、都合があって急いでいますから、これを一ぱいだけ戴いてから、失礼します」