Japanische Klassiker mit Furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
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年老った婢は筍の傍へ往って蹲んだ。
「痴野郎だから、だめなんだ」
広巳は三口四口続けて飲んだが、気が注いたようにしてまた耳をたてた。
※
松山と半ちゃんは、山田を出て大森の方へ向って歩いていた。松山は蝙蝠傘をさし、半ちゃんは紺蛇目をさしていた。絹糸のような雨は依然として降っていた。山田の塀の前を往きすぎると、半ちゃんが右側を歩いている松山の傍へ寄って往った。
「おい、旨くいったな」
「いったとも、吾輩が蘇張の弁をもってすれば、天下何事かならざらんやだ、どうだい」
「また、ちんぷんかんぷんか、悪い癖だよ、よしなよ、そんなことを云って、威張ったところで、どうせ人をおどして金を執る悪党じゃねえか」
「悪党じゃないよ、国家のためだよ、国家のためにやってることだよ」
「国家のために、好いことをしてる奴を、ふんづかめえて、さんざ撲りつけたうえに、金を執るだろう」
松山は笑った。
「まあ、そんなものさ、鑵詰の中へ石ころを入れて、兵隊に喫わしても、国家のためだと云う実業家があるじゃないか、それに較べりゃ、姦通をつかまえて、悪いことをさせないようにするのは、たいした違いじゃないか、天と地との違いだよ、すこし位、金を執ったっていいだろう」