Japanische Klassiker mit Furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
岡本の手は羽織の紐にかかった。
「乱暴するか」
「この破戸漢、ふざけやがるな、ここをどこだと思ってるのだ」
岡本は広巳を睨みつけた。
「へん、ここをどこだ」声をおとして、「ここは鮫洲のお大尽のお邸さ、お邸と知って、奥さまをもらいに来てるのだが、汝はなんだ」
「乃公か、乃公はこの家の者だが、汝こそなんだ、ふざけたことをしやがると、その蛇のように敲き殺すぞ」
広栄ははらはらとするばかりでどうすることもできなかった。定七が縁側から顔を出した。
「もし、もし、どうか、もし」
広巳は火のように怒っていた。
「やかましい、黙れ、乃公がこの破戸漢を敲き殺すんだ」岡本を睨みつけて、「野郎、出て往きやがれ、ぐずぐずすると敲き殺すぞ」
広巳は傍の唐金の火鉢に眼をつけた。広巳はいきなりそれに手をかけた。広栄がその手にすがりついた。
「広巳、そ、そんなことをしては、広巳」
「いけねえ」
岡本は羽織をぱっと後に放ねた。放ねると同時に背の方にまわして持っていた日本刀を執った。
「乱暴するか」
「なにを」
広巳は火鉢を持ちあげようとしたが、広栄が死力を出してしがみついているのであがらなかった。
「汝は、泪橋の下で、壮い奴をひどい目に逢わした奴だな」