Japanische Klassiker mit Furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
「そんなに急がなくたって、ゆっくりなされたら好いじゃありませんか」
主婦は年増の放した讓の手に軽く己の手をかけて、心持ち讓を引き寄せるようにした。
「失礼します」
讓はその手を揮り払うとともに起ちあがって、年増の傍を擦り抜けて逃げ走った。
「このばか、なにをする」
年増の声がするとともに讓は後からつかまえられてしまった。それでも彼はどうかして逃げようと思ってもがいたが、揮り放すことはできなかった。
「奥様、どういたしましょう、このばか者はしようがありませんよ」
年増が云うと主婦の返事が聞えた。
「ここへ伴れて来て縛っておしまい、野狐がついてるから、その男はとてもだめだ」
妹と壮い婢が入って来たが、婢の手には少年を縛ってあったような青い長い紐があった。
「縛るのですか」
婢が云った。
「奥様のお室へ縛るのですよ」
年増はそう云い云いひどい力で讓を後へ引ぱった。讓はよたよたと後へ引きずられた。
「そのばか者をぐるぐる縛って、寝台の上へ乗っけてお置き、一つ見せるものがあるから、見せておいて、私がいびってやる」
主婦は室の中に立っていた。同時に青い紐はぐるぐると讓の体に捲きついた。