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Japanische Klassiker mit Furigana

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がまのち

日本怪談大全 第一巻 女怪の館

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

※(ローマ数字3、1-13-23)

「お願でもしているのか」

「そんなことはありませんよ」

「じゃ、好いだろう、貸しておくれよ」

真澄は好奇心も手伝って右の指を女の指環にかけてとっさにそれを抜こうとした。

「厭よ、厭よ、許して頂戴よ」

女は抜かせまいとして手を引こうとした。真澄はやめなかった。

「厭よ、厭ですよ、あなたは、何時ものようじゃないのですわ、あれ、厭ですよ」

指環は抜けかけた。真澄は小声で笑いながら一思いに抜こうとした。

「厭」

女は叫ぶように云って真澄を突き除けて起ちあがるなり、ひらひらと中敷の方へ走って往ったがそのまま姿が見えなくなった。真澄の開けた覚えのない中敷の戸が二尺ぐらい開いているのが見えた。

※(ローマ数字3、1-13-23)

女はその晩限り来なくなった。そのうちに正月が来て三日となった。真澄は上福島にいる友人の家へ年賀に往って非常に酔い、夜の十時比阪急線の電車に乗ってやっと花屋敷まで帰って来た。

そこでは真澄の他に四五人の者がおりた。真澄はその人といっしょにプラットホームに立ったところで、眼の前に壮い女の立っているのが見えた。それはあの女であった。

「ああ、君だね」

女はにっと笑った。