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Japanische Klassiker mit Furigana

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がまのち

日本怪談大全 第一巻 女怪の館

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

「なに、すこし気分が悪いからだよ、神経衰弱かなんかだろう」

「そうかね、警察ざたかなんかでなけりゃいいや」

「そんなことがあるものか、そんなことは決してない」

「そんなことなら良いが、へんだからさ、そんじゃもう寝るがいい」

「そうだ、もう寝よう」

政雄は機仕掛の人形のようにきょとんと起って、室の外へ出るなり階子段を駈けあがった。二階では親切な老婆が燈を点けたついでに寝床をとってくれていた。

「ありがとう」

政雄はそのまま寝床の中へもぐり込んで蒲団を頭から冠ってしまった。

「尾形さんは、今晩どうしたのだろう」

老婆はそう云い云い下へ降りて往った。政雄は死んだ人のようになって動かなかった。政雄の頭には大きな長い舌が焼きつけられていた。政雄は運転手の免許状をとりあげられて運転手ができないので、郊外の自動車会社に助手として雇われようと思って、その町へ移って来て口を探しているうちに女を襲うようになっていた。政雄はその晩既に宵の口に隣町の淋しい処で女を襲おうとしたが、人が来たので逃げ、それから近くのカフェーへ入って酒を飲みながら夜を更かし、そして、電車で帰って停車場を出たところで一人で歩いている女を見て、それを襲おうとして怪異を見たのであった。