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Japanische Klassiker mit Furigana

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がまのち

日本怪談大全 第一巻 女怪の館

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

※(ローマ数字3、1-13-23)

で、その表札を見るつもりで静にその門口へ往って、表札のあるかないかを透して見た。入口の鴨居の上に、白い陶器の表札があって、山本キヨと書いてあった。

(山本キヨ)

私は口の中でその名を繰り返した。

「お母さん、何人か表に立ってるようよ」

中から女の子の声がした。私はそれに脅かされて逃げだした。そして、巷の曲り角を曲る時、やはり会社の帰りに、昼往って聞く方がうしろめたくないと思った。私は気が注いてそこの軒燈に眼をつけた。それは次に来る時の目標であった。

※(ローマ数字3、1-13-23)

翌朝、電車に乗った時にも、今日は帰りに神保町で降りて、前夜の家へ往って聞こうと思っていたが、

(何人か表に立ってるようよ)

と、云った女の子の声が神経に残っていて、それが漸次に、帰りに寄ろうとしている心を鈍らして来た。それに、静に考えてみると、己がその女に異常な興味を持ったと云うことが、何かしら己の本能から出て来た汚い感覚のためであるように思われて、何人かに顔を見られているような気になって来た。で、帰りに、数寄屋橋外から、土橋大塚間を運転している電車に、乗ることは乗って、神保町へまで来たが、降りる気になれない。