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Japanische Klassiker mit Furigana

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がまのち

日本怪談大全 第一巻 女怪の館

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

「すぐ来ますよ」

まもなく女は彼の少女とともに、泣く泣く憲一を見送った。

「ほう、これは」

旅館の主翁は憲一の顔を見るなりとびだして来た。旅館では憲一がいなくなったので心配していたところであった。

「どこへ往ってらしたのです」

憲一はそれよりも女の素性を聞こうと思った。

「このむこうにあるのは、どうした家です」

すると主翁が首をかたむけた。

「このむこう」

「そうですよ、林のなかに、立派な家があるじゃありませんか」

「林の中に、そんな家はありませんよ」

「ないことがあるものか、な奥さんが、いるじゃないか」

「※(「女+朱」、第3水準1-15-80)な奥さん、お客さんはどうかしてるのですよ、このあたりには、第一そんな家なんかありませんや」

憲一は主翁がどうかしているだろうと思った。

「たしかにあるよ、往って見れば、すぐ判る」

そこで憲一は主翁を伴れてその家へ往った。

「すぐそこだ」

二人は林の中を縫うて往った。やがて見覚えのある草原の中の池が見えて来たが、彼の家らしいものは見えなかった。憲一は首をかしげた。

「たしかにこのあたりだ」

ふと見ると、そこに山小屋か何かの腐朽したような茅や小枝の朽ちたのが一かたまりになっていた。