Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
「おう率八か、上がって一服吸って行くがよい」
「エヘヘヘ、お邪魔になりゃしませんか」
「なぜだい?」
「でも、いつもお見かけした事のない、美麗なお客様が働いているようじゃありませんか」
「居たってよいじゃないか、余人と違って、お前ならば邪魔にはならんよ」
「人間が甘いからでございますか。どうも驚きましたね、先生も見かけによらない色男だな」
「うふ……」と馬春堂は妙な笑い方をして箒を掛け、「率八、きょうは一杯飲ませるぜ」
「ところが、これから野暮用に行く途中なんで」
「じゃ帰りに寄るがいい、支度をして待っているから」
「ヘエ、ばかに景気がいいんですね、それにひきかえて、うちの所帯は相変らず火の車で、今もこの先の七ツ屋へ駈けつけるところなんです」
質草のはいっている小風呂敷を差し上げて見せると、率八は抜け露地を駈け出してあたふたと用達に急いで行く。
「どれ、これで春風一掃じゃ」
後では馬春堂先生、久しぶりの煤を掃き終えると、脚のあぶない茶卓台をすえ、炬燵と行燈の配置よろしくあって、
「これ、お蝶さんや、早くここへ来て手でも暖めないか。なに、お燗はわしがここで注けながら飲るとしようよ」