Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
暗やみ飛脚
相変らず、嵐一座の掛小屋は、ごらんのとおりぎっしりな見物人で、舞台はただいま百目蝋燭の数を増して、競いざき潮来の夜景色――そんな口上で初まった娘手踊り。
前の渋い弄斎節の一曲よりはこの方の他愛ないのが一も二もなく、焼きするめや、玉蜀黍のお客様の御意にめして、やんやとうけているところが有難いものです。
番数すすんで、道化役の男が、
「太夫身化粧ができます間、一応は当座曲独楽のお目通り、はアい、遣いまする独楽の顔見世――」
というような口上で、形、彩色、さまざまな独楽を幾つも手玉にとって、
「そもそも本朝こまつぶりの初まりは、行成大納言、小松の銘のこまつぶりに紫濃の糸をお添えして、禁廷様のなんの宮とやら何のおひい様とやらのご覧と御感にあずかったのが発祥とかや。とにかく、深くはしらないが、それをまねたのが京童の貝独楽、ひなの銭独楽、長崎の漢土独楽、それから雨後の竹の子独楽、できるわできるわ、手品独楽、半鐘独楽、ゴンゴン独楽、うらない独楽から角力独楽や不性独楽にいたるまで独楽の眷属をかぞえ立てれば数とかぎりはございませんが、ここに当座の花形粂吉がつかいまする独楽といッぱ、東都名題の名人づくり金造独楽、そこらの歯みがき屋さんのつかう仕掛独楽とは大きにことちがい、種やからくりのない正銘な芸と早技、あざやかにまいりまし