Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme

Aozora Bunko

「来られないのか、ウム、来られない道理だ! いかに鉄面皮でも、幾多の肉親の頼みや故国の使命を裏切り、あまつさえ、神の御名をこの国の幕府へ売って、囚徒の後家を妻にもらい、生涯飼い殺しにされて喜んでいるころびばてれん――。その醜悪な身をもっては、さすがなお前も、わしの前には恥かしくて出られないのであろう」

毒舌は針を吹くようです。

ころびばてれんの二官と、ころばぬばてれんのヨハン。信仰の上だけでも、この二人の間には、犬猿もただならぬ暗闘のあるはずですが、ヨハンの口裏には、何かより以上な宿怨があるやに思われるふしがあります。

「おい、何とか答えたらどうだ。これほど罵られても、お前は恥かしいとは思わないのか」

「ヨハン殿」

二官は初めて五、六歩足を寄せて来て、

「――なんとでもいってくれ。わしの心は神様だけが知っている」

「ばかなッ、お前に神があるか。お前はその醜い肉体を生きのばす扶持米と、囚人の後家と、不良児のお蝶とをうける代価に、とうの昔、たった一ツの神まで売り払った畜生だ」

「…………」

「いい訳はあるまい。あさましい人非人。その風俗をした姿を、羅馬の町の辻に晒しものにして、お前の肉親たちにも見せてやりたい」