Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
下頭小屋にたどり着いた時、そこで、接待の麦湯をもらいながら、手代から聞いた千魂塚の真相を、なおもよく聞きたいと思いましたが、もうゆうべの者は一人も足を止めていないので、そんな噂を知る者もありません。
汗をぬぐい、食事をととのえ、やがてそこを出たのが午過ぎ。
「ああ、山はいいね、こんな道を、秋の落葉が落ちる頃、お祖父様と一緒に歩いたらどんなだろう。次郎を連れて歩いたら、さだめし面白いことだろうね。そうだ、今年の秋は、次郎を連れて、この甲州の旅から木曾を歩いてみよう……」
鳥の声を仰ぎ、清水のせせらぎをのぞいて、ひとりでこんな事を呟いて行くくせに、久米之丞には一言も話しかけない。
道連れもなく、一人で歩いているような月江の様子です。けれど、久米之丞はもうそれに大した不平も抱いていない。彼もまた、一人旅の味気なさをつづけるものの如く、月江のうしろ姿に尾いて、黙々として歩んでいます。
一歩一歩、山は森々と深くなってくる。
程なく月江は、路傍の草叢に、千魂塚と彫ってある丸石と、道しるべの朽ちた柱とを見ました。
是ヨリ甘酒茶屋マデ一里二十七町――
それを眺めて、急に休みたくなりましたが、横手の堂宇を見ると、そこの廂の日蔭には、羅漢のような雲助と西瓜の食べ散らした殻が、蠅を集めて昼寝をしているので、近くに休む気にもなり