Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
何をしているのだろう?
何かしている。車座になって、その中に交人が立って、みんな礼拝の形をとって。
その景色は強い好奇を誘惑するにたるものでした。日本左衛門もお蝶も、いつかしら両端の崖を這って、共に、その不思議な火と人との実体に近づこうとしています。
近づいてみて、びッくりしたのは、お蝶ばかりではありますまい。
「天帝」
「マリヤさま」
そんな祈祷の声がきれぎれに風に送られてくる。
疑わずにはいられません。この一団は人里をはなれたかかる山奥に来て、幕府がきびしく禁じている邪宗門の祈祷を奉じているらしく想像されます。
いや。
それだけの事実ならまだしもですが、今、火の円座の中ほどに立って、何か空に向って祈念している背の高い人物がある。ただ一枚の黒い布にすぎない衣服を肩から足元までまとい、胸に、白い十字の金属をさげているのがいよいよ疑うべくもない邪宗門のばてれんです。
似ている!
一目見て、お蝶はあまりのことに仰天しました。
なぜかといえば、そのばてれんは、茗荷谷の切支丹屋敷の鉄窓につながれているはずのヨハンに生き写しです。
いや、ヨハンがこんな所にいるはずはない。