Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
――逃げるに逃げいい武蔵野の原を。
そのあとで、ほッとしながら半五郎は、こんがら童子のように突っ立っている次郎の姿をながめて、
「こン畜生はまあ。こン畜生はまア……」
褒めていいのか、怒ッていいのか分らないで、
「末おそろしい餓鬼だ」
と、今さら、舌を巻きました。
彼のちゃんは舌を巻いたりなどして、がっかりしておりましたが、次郎はまだ今の張りつめた気込みを少しもゆるませないで、
「さあ、早くおりんさんを」
と、すぐに野槍を持ち直します。
「まア、待てッたら」
「ちゃんも来るのかい」
「第一、どこでどうしたのか、その見当もよくついてやしまいに」
半五郎の口ぶりは、最前からみると、だいぶ子供の実力を認めてきました。
「拝島の岡だって言ったろう。え? そうじゃないの」
「べらぼうめ、拝島といったって、ずいぶん広いじゃねえか。だからおれが案内してやるからそう急くなよ」
「じゃあ、ちゃんが先へ歩きなよ。――お嬢様、次郎のそばへいらッしゃい」
前ほどではありませんが、それから十数町の間も、月江にはかなり辛いほど急いで行く。
と、半五郎が、
「あれッ?」
岡の裾から上を見上げて、不思議そうな声を出す。