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Japanische Klassiker mit Furigana

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かいじょうのみち

海上の道

柳田 国男

Lesen Sie 海上の道 (かいじょうのみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.344 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

として、運んできたという例は一つも無いにかかわらず、きまって迎えの使者の口上の中には、ニルヤでは今ちょうど正月の松が無くて、もしくは花なり薪なりが手に入らぬので、頻りに求めてござるところだった。それでこの上もない御悦びで、是非とも案内をしてこいという御使に来ました。どうかしばらくの間目をつぶっていてくださいなどと、目無しかたまや亀の背という手続きもなく、いとも無造作に海中の異郷に連れて行くのが普通である。或いは昔話の興味を高めんがために、次第に附け加えた趣向だったのかもしれぬが、もう眼をあけてもよいと言われてあたりを見廻すと、そこには立派な御屋敷があり、門を入った取りつきの外庭には、さっきほうり込んだ薪なり門松なりが、ずらりときれいに積み並べてあったというのが多い。話の細部は多くこういう風に進化して、どんなのが旧い形ということは勿論きめられないが、少なくとも日本本土の北の端から、南は奄美群島の二、三の村にかけて、こうした俗眼には何の価値もない植物類が、無限に水の都では珍重せられていたという話のみは、借りものでもなくまた後々の附け加えでもなく、夙にこの方面の島人たちの観念に、根ざしていたものかと思われる。