Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lesen Sie 海上の道 (かいじょうのみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.344 Zeichen · 353 Bildschirme
一二
まして海上の危険はさらに痛烈で、一人の落伍者逃竄者をも許さなかったことは、今さら改めてこれを体験してみるにも及ばなかったのであるが、そういう中にすらもなおこの日本の島々のごとく、最初僅かな人の数をもって、この静かなる緑の島を独占し、無論幾多の辛苦経営の後とはいいながら、ついには山々の一滴の水、または海の底の一片の藻の葉まで、ことごとく子孫の用に供せしめ得たということは、誠にたぐいもない人類成功の例であった。後代にこれを顧みて神々の隠れたる意図、神のよざしと解しなかったら、むしろ不自然であったろう。たとえ数々の物語は事実のままでなかろうとも、感謝のあまりにはかくも解し、またさながらにこれを信ずることもできたのであった。イスラエルの神などは始めに存し、この土この民を選んで結び合わせたのであったが、国が荒れ人がすでに散乱したので、勢い解釈を改めなければすまなかった。我々の国土はやや荒れたりといえども、幸いにして今も血を承けた者が住んでいる。すなわち再び国の成立について、まともに考えてみるべき時期ではないかと思う。
一二
後期仏教の西方浄土とは対立して、対岸大陸には夙くから、東方を憧憬する民間信仰が普及していた。