Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lesen Sie 海上の道 (かいじょうのみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.344 Zeichen · 353 Bildschirme
年俵と種俵
京に出てきたのも別の目的があるわけではなく、ただ聖別せられた稲の穂の中から、翌年の種実を拝受して、郷里に還ってくる任務が、最初にはまだ課せられていた名残ではなかったろうか。
年俵と種俵
現代の農村行事の中でも、稲の種子の永続だけにはまだ若干の慣例が残り、幽かながら以前の信仰を伝えたものが多い。明治以来の品種淘汰の動きの中にすらも、なお家の種子を重んずる感じが見られる。是も今いる年寄の一代かぎりかも知れないが、たとえ改良種でもわが田で取り入れたものを、次の年からの苗代には播こうとするようである。抜穂という言葉はもう使わぬ土地でも、かねて田にあるうちに丈夫な稲茎を見立てておいて、それから種を取ろうとする念慮は、口に出さないでもみな持っている。そうして実際の必要量よりはいつも余分に、別に取り分けて大切に保存しておく習わしは、今も一般にまだ続いており、それが単なる予備とか用心のためでなかったことは、少し気をつけてみれば今でも確め得られる。
たとえば千葉県南部の農村などで、焼米貰いと称して苗代種蒔きの日に、子供が袋を持って家々の田を巡り、もらい集めてあるいた焼米のごときも、ただ彼らを悦ばしめるために調製せられるものでなかった。