Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lesen Sie 海上の道 (かいじょうのみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.344 Zeichen · 353 Bildschirme
六
はあるにしても、命名の態度はおそらくはまるでちがっていた。すなわち一方は稀にしかこれを口にせず、または少なくとも戯笑の具には供しなかった。その痕跡がまだシビ・スビ・ツビの語には残っているかと思う。私が是らを第二次の発生とし、別に今一つの本来の名詞が、無ければならぬとする理由も爰にある。南方諸島において、最初にこの美しい宝の貝を緒に貫いて頸に掛けていたのは、君々すなわち厳粛なる宗教女性であった。そうして是がただ安産の守り、または児子の平安なる生育のみに、特効あるかのごとくには信じていなかったろうからである。
六
宝貝が大陸の奥の奥に流伝して、数十百年を経過するうちには、多分はあの採取時の美麗さは失われ、何故に是が宝であるかの理由が、海から遠く離れて住む者には、だんだんに不可解になったことは想像してよかろう。それを現今のように、単なる社会の約束と解することは昔の人にはできないから、次いで起こるものは呪禁の力、是を手に持つときは敵を制し、ないしは一身の生活を楽しく安らかにするという類の信仰でなければならぬ。世界の隅々に現われているこの観念の変遷については、すでに研究が進んでいるのだろうが、私はまだ知ることができない。