Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lesen Sie 海上の道 (かいじょうのみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.344 Zeichen · 353 Bildschirme
寄木は流木の浜に漂着したものといい、親はこちらで言うならば長者のことである。その親が海に働こうとして暁に浜に出たが、まだ夜が明けぬのでしばらく寄木を枕にして仮睡していると、今ほど何某の家に子が産れる。早く往って運をきめてやりましょうと、その寄木を誘いにこられたのが、ニラの神様だったと沖永良部島では謂い、喜界島の昔話では、竜宮の神様と語られている。寄木はその神様の誘いに答えて、あいにくと今夜はサンカの者に股を貸しているので、一しょに行きたいが立つことができない。どうか独りで行ってきてくださいという。それがやがて還り路にまた声をかけて、生まれた児の未来を斯うきめて来ましたと告げるのはごく自然に聴える。本州の類話はその神々仏たちの名を、その場限りにさし替えていながら、なお山中の大木の根を枕にしてというものがあり、また薩摩の甑島などでは、山の中に野宿しているのに、山の神がホダ殿ホダ殿お産があるで早く行こうと誘いにくる。ホダは伐られた木塊の名だが、或いはこの島では流木のことだったかもしれない。ともかくもこの大木にもサンカの者すなわち人間の運命を指定するだけの能力があるものと、感じていた時代の作品であることが推定せられる。