Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
青木、品川の両人場末の活動写真を見ること
平凡な常識家と軽蔑していた彼が、今までと違った偉い男に思われさえした。
青木、品川の両人場末の活動写真を見ること
それから一月ばかり、別段のお話もなく過去った。
云うまでもなく、青木は品川に九段坂の出来事を話すことはしなかったけれど、あの様な結論を下したものの、まだ何となく疑念が残っていたので、名古屋へ帰る前に、一度品川を訪ねて見た。
九段坂事件の三日あとである。
「どうだい近頃は、相変らず退屈しているのかね」
品川は隔意のない明るい調子であった。
どうも変だ。この快活で平凡な男が、蔭であんな悪事を働いているのかと思うと、余りのお芝居の巧みさに、怖くなる程であった。
暫く話したあとで愛之助はふとこんなことを云って見た。
「この間の日曜日にね、九段のお祭りを見に行ったよ。そして娘曲馬団を見物した」
彼は云いながら、じっと相手の表情を注意した。
ところが、驚くべし、品川は顔の筋一つ動かさないで、見事な平気さで、答えたのである。
「そうそう、此間中招魂祭だったね。例のいかもの食いかね。久しいもんだ」
で、結局青木の疑念ははれなかった。うやむやの内にいとまを告げて、間もなく名古屋へ帰った。