Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme

Aozora Bunko

「オッと、そいつはいけない。赤松さん、その呼鈴は命とかけ換えですぜ」

明智が素早く見て取って、ピストルを構えながら、総監を威嚇した。

「明智君、これは一体どうしたことだ。君はいつの間に僕の敵になったのだ」

「ハハハハハハハ、私が明智小五郎に見えますかね。もっと目をあけてごらんなさい。ほらね」

明智が顔をモグモグやって見せる。

「アッ、貴、貴様は一体何者だッ」

明智は左手でポケットから、大型の麻のハンカチを取出して、総監の目の前で、ヒラヒラ振って見せた。驚くべし、そのハンカチの片隅には、見覚えのある不気味な白蝙蝠の紋章。

「ウヌ、畜生ッ」

総監は全身の力を奮い起して、背後の敵をふりほどこうとした。だが、怪物の羽交締めは、いっかな解けぬ。もう絶体絶命だ。大声で呶鳴って人を呼ぶ外はない。と思う顔色を見て取った、偽の明智小五郎は、間髪を容れず、振っていたハンカチを丸めて、総監の口へ、グイと押込んでしまった。咄嗟の猿轡だ。

瞬く間に、手足を縛られて、トランクの中に丸くなったのは、今度は本物の赤松総監であった。あばれようにも、声を立てようにも、もうどうすることも出来ぬのだ。