Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
若しそうだとすれば、その男はきっと僕が九段で味ったと同じ、変てこな気持がしたに相違ないね」
当人の品川はしょげているのに反して、青木愛之助はひどく嬉しそうである。
「君は呑気なことを云っているが、僕にして見れば、随分不愉快なことだよ。考えて見給え、この俺とソックリそのままの奴が、この世のどこかに、もう一人いるんだ。実にいやな気持だよ。若しそいつに出会ったら、いきなりなぐり殺してやり度い位だよ。そればかりじゃない、もっと恐ろしいことがある。君の話によると、奴はどうも悪人らしい。スリを働く位ならいいが、もっとひどい犯罪、例えば人を殺すという様なことが起ったら、僕はそいつと生写しなんだから、どんな拍子で、嫌疑をかけられないとも限らん。僕はそいつの犯罪を止めだてすることは勿論、予知さえ出来ないのだ。随って僕の方にアリバイの成立たぬ場合もあるだろう。考えて見ると、非常に恐ろしいことだよ。相手がどこの何者だか分らぬだけに恐ろしいのだよ。
それから、こういう場合も考えて見なければならない。つまり、僕の方ではその男を知らないけれど、その男の方では僕を知っているという場合だ。